退職代行を使用する際に気になるのが保険証を始めとした会社からの貸与物をどうするのかという点。
今回はその辺りを中心に解説します。
保険証を含めた会社からの貸与物はどうしたらいいか

退職代行を使用して退職する際、貸与物は基本的に自分で郵便や宅配などを使って返却します。
主な返却物は作業着、社員証(入館証)、保険証、社員用パソコン、データや書類などです。
基本的に勤務先への貸与物の返却まで退職代行業者に代行してもらうことはできませんが、後でご紹介する退職代行ガーディアンはそれも代行してもらえるようなので相談してみて下さい。
貸与物の中でも保険証は退職した次の日から被保険者資格がなくなるため、速やかな返却且つ手続きも必要です。
保険証は退職日翌日に簡易書留等で相手が受け取った証明が残るように勤務先に返送します。もし扶養者がいれば家族全員の文もまとめて返送しましょう。
新しい保険証の手続き
新しい健康保険証の手続きに関しては、転職先が決まっているかどうかで異なるので詳しくは以下で説明していこうと思います。
1. 辞めた会社から必要書類の取得
退職日翌日以降、辞めた会社から離職票と雇用保険被保険者証を早急に受け取る必要があります。この書類は、退職代行を通して取得できます。
2-1. 転職先が決まっている場合
受け取った雇用保険被保険者証を転職先企業の人事・総務担当者に提出します。
2-2. 転職先が決まっていない場合

転職先が決まっていない場合は国民健康保険に加入する場合が多いです。
家族の扶養に入る、任意継続するという方法もあります。
1. 国民健康保険に加入する場合
- 書類提出場所
居住地管轄の市区町村役所・役場の窓口
- 必要書類
各市区町村で定められている届出書と健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票のいずれか
- 申請期限
退職日翌日から14日以内推奨
国民健康保険は市区町村が保険者となる保険です。
国民健康保険の保険料は、「前年所得」「世帯収入」「加入人数」などを考慮して算出されますが、住んでいる市区町村によって支払う保険料は異なってきます。
例えば東京都杉並区に住んでいる人の国民健康保険の年間と月々の費用は以下の通りです。
20代フリーター | 20代無職 | (子なし) | 30代夫婦(夫婦+子2人) | 4人家族|
年収 | 250万円 | 0 | 450万円 | 700万円 |
年間費用 | 170,296円 | 52,000円 | 364,442円 | 663,053円 |
月々 | 14,191円 | 4,333円 | 30,370円 | 55,254円 |
国民健康保険に加入する場合、退職日の翌日から14日以内に、居住地管轄の市区町村役所・役場の窓口に、勤務先から発行される健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票のいずれかを持参して加入手続きを進めましょう。

なぜ離職票の受取が必要なのか?
会社を辞めて転職先が決まっていない場合は一時的に収入が途絶えるため、ハローワークから失業給付を受け取り、生活を安定させる必要があるからです。
また、国民健康保険に加入する際に必要になる場合もあります。
2. 家族の扶養に入る場合

- 書類提出場所
各事業所経由で日本年金機構
- 必要書類
被扶養者(異動)届、離職票や退職証明書などの退職日が分かる書類、扶養にはいる家族と別居している場合には移し先の住民票等
- 申請期限
被扶養者になる事実が発生した日から5日以内
配偶者や親族を社会保険の扶養に入れる際は、被扶養者の要件に該当するかどうかを事前に確認し、被扶養者になる事実が発生した日から5日以内に「被扶養者(異動)届」と必要な添付書類を所轄の年金事務所または事務センターに提出します。
家族の扶養として健康保険に加入する場合には、まず被扶養者の基準に認定される必要があります。
手続きに必要な書類は、家族の勤務先経由で日本年金機構に提出します。被扶養者異動届けと一緒に、離職票や退職証明書などの退職日が分かる書類、別居している場合には移し先の住民票を添付して審査を受けましょう。
3. 任意継続する場合
- 書類提出場所
お住まいの住所地を管轄する協会けんぽ支部
- 必要書類
任意継続被保険者資格取得申出書
- 申請期限
退職日翌日から20日以内
任意継続とは、退職した勤務先の会社と同じ健康保険を退職後も継続して加入することです。
退職前に2カ月以上被保険者期間があれば、最長2年間は継続することができるます。しかも、扶養家族もそのまま健康保険を継続することができます。
在職中は会社が保険料を半額負担してくれていましたが、退職すればもちろん自身で全額負担しなければなりません。そのため保険料は、多くの方が、退職(資格喪失)時の保険料の約2倍の金額になります。
任意継続をする場合は、退職した翌日から20日以内に速やかに手続きを行いましょう。申請期間を過ぎてしまうと再度申請できないので注意が必要です。
手続きを行う場所は、お住まいの住所地を管轄する協会けんぽ支部です。任意継続被保険者資格取得申出書を窓口、もしくはHPより取得・記載し、該当する場所に提出しましょう。
保険証の切り替え手続き期間の対処法
退職して健康保険の切り替えを行ったとしても、すぐに保険証が手元に届くわけではないので、もし病院に行くことになった場合は不安になりますよね。
もし急ぐことのない診療であれば、退職前にいくことをおすすめします。
また、急な病気などの場合は、一時的に全額自己負担をすることになります。この際に支払った代金は、新しい保険証が届いた後で病院に保険証を提示すれば返金してもらえるので安心して下さい。

まとめ
退職代行を利用したら保険証の手続きがスムーズに行かなくなるのでは?会社からの書類を受け取れなくなるのでは?と不安に感じると思いますが、実際に調べてみると会社からの書類は退職代行業者を通して取得できるところがほとんどでした。
それでも不安なことや分からないことがあったら、退職代行の担当者が答えてくれるはずなので、安心して相談してみましょう。