「闇バイト強盗」とは何かご存じでしょうか?
闇バイト強盗は従来の強盗とは全くの「別物」です。「簡単」「短時間・高収入」「ホワイト案件」などの甘い言葉で普通の若者を騙し、凶悪な強盗犯に仕立てあげます。
そのため一度狙われると大変な被害に遭う可能性があります。
今回は、闇バイト強盗対策について、どこよりも詳しくご紹介します。
闇バイト強盗の流れ
①実行役の募集
一般的に闇バイト強盗の特徴は、闇バイトの指示役(リーダー)がSNSやインターネット掲示板を使って「実行役」を募集するところから始まります。
募集記事の内容は次の通りです。
〇〇方面 勤務日即日50万円以上 やること 指示通りに業務をこなすだけ 〇〇にこれる方ならだれでも可能 やる気のある方、稼ぎたい方 |
※内容は例文
②闇バイト応募者からの連絡
SNSやインターネット掲示板に「闇バイト」の募集をすると、すぐに応募者から連絡がきます。
1日で数件くるほど盛況です。
③テレグラムへ誘導
応募者にはテレグラムという匿名性の高いアプリのIDが送られ、テレグラムの電話を使って面接を受けるように指示がきます。
SNSやインターネット掲示板+テレグラムとそろった段階で「闇バイト募集の案件」と思って間違いありません。
④リクルーターからの連絡
電話の相手から信用されると、その上司のリクルーターから連絡がきます。
ここで信用されると実際の仕事の内容(この場合は強盗)を教えてもらうことができます。
ただしここでは現場などは教えません。現場を教えるのは当日です。
⑤個人情報の送付
リクルーターとの面接で合格すると個人情報の送付を促されます。
最低、次の3点です。
1⃣自分の氏名・住所・職業 2⃣実家の住所 3⃣両親の連絡先 |
⑥メンバーの選定
強盗をする場合、メンバーの選定をします。
実行役2人、見張り役1人の3人1組です。3人とも、一切面識がないもの同士が選ばれます。
確約が取れたら当日、現場に向かわせます。
⑦強盗の実行
実行日の当日、応募者たちは、強盗先の住所に向かわされます。現場では全員初対面で、相手がだれかはわかりません。
指示役から指示がくだり、見張り役が外で見張り、実行役が住宅に押し入り強盗をします。
基本は金品を盗むことです。ただし闇バイト強盗は素人なので、見つかったらパニくって暴行、拉致、殺人をやってしまう可能性がありプロよりも危険です。
戸建て住宅への侵入窃盗・強盗
①戸建て住宅への侵入窃盗の侵入口の割合
戸建て住宅への侵入窃盗の侵入口の割合は次の通りです。
特徴は「窓」からの侵入が圧倒的に多いことです。
侵入口の順位 | 割合 |
1⃣窓(ベランダの窓など) | 53.5% |
2⃣表出口(玄関ドアなど) | 21.3% |
3⃣その他出口 | 15.4% |
4⃣その他・不明 | 9.9% |
※警察庁が公表している「侵入窃盗の侵入口」令和4年(2022年)より
このデータからいえることは「窓」と「表出口」を注意することで侵入窃盗の被害を防止する可能性が高いことです。
②戸建て住宅への侵入手口
戸建て住宅への侵入手口は次の通りです。
特徴は全体の半数が「無締り(むじまり・戸締りをしていない状態)」の時に侵入されていることです。
侵入手口の順位 | 件数 |
1⃣無締りの時に侵入する | 6,187件 |
2⃣ガラスを破って侵入する | 3,710件 |
3⃣合鍵を見つけて侵入する | 370件 |
このデータからいえることは、戸締りをするだけでも、侵入窃盗の被害を防止することができることです。
戸建て住宅への代表的な侵入手口と対策
戸建て住宅へは一体どんな手口で侵入しているのでしょうか?
①ガラス破り
ガラス破りとは、窓を割り、カギを壊して侵入する手口のことです。通常1階のベランダの「掃き出し窓」がターゲットにされます。
理由は掃き出し窓なので、カギを壊せばそのまま侵入できるからです。
●ガラス破りの対策
ガラス破りの対策は防犯ガラスを設置することです。
理由は防犯ガラスを設置すると、侵入窃盗・強盗がおこなう「ガラス割り」や「焼き破り」をされても容易に侵入できないからです。
②ドア錠こじ破り
ドア錠こじ破りとは、玄関ドアや勝手口のドアとドア枠の間にバールを差し込み「カンヌキ部」を強引に壊して侵入する手口のことです。
カンヌキとは、ドアロック(金属製の横棒)のことです。
●ドア錠こじ破りの対策
ドア錠こじ破りの対策はこじ開け防止プレートの設置です。
こじ開け防止プレートとは、ドアの外部から「カンヌキ部」をガードしてくれる金属製のプレートのことです。
取り付けは簡単で、素人でもドライバー1つで設置ができます。
③ピッキング
ピッキングとは鍵穴にピックという金属棒を入れ、カギを開錠する手口のことです。
〇ピッキングの対策
ピッキングの対策には、玄関ドアにスマートコントロールキーを採用することです。
スマートコントロールキーであれば、鍵穴が見えないのでピッキングが通用しません。
闇バイト強盗が狙う住宅とは?
闇バイト強盗は一体どんな住宅を狙うのでしょうか?
闇バイト強盗は、従来型の強盗とは違います。徹底的に住宅と住人のウィークポイントを見つけて確実に金品を奪いにきます。
もし今回ご紹介する住宅のタイプに該当した方はぜひ改善することをおすすめします。
①郊外の古い戸建て住宅
闇バイト強盗は郊外の古い戸建て住宅を狙います。
理由は一般的に郊外の古い戸建て住宅は高齢者が家主の場合が高いからです。
闇バイト強盗は家主が高齢者であれば強引に金品を奪うことができると考えています。
②セキュリティーが弱い住宅
闇バイト強盗はセキュリティーが弱い住宅を狙います。
理由は防犯カメラがないと証拠が残らず、防犯ガラスがないと簡単に窓から侵入できるからです。
③番犬がいない住宅
闇バイト強盗は番犬がいない住宅を狙ってきます。
理由は侵入した時に番犬が騒ぐと周囲の人たちに異変を気づかれるからです。
番犬は古典的なセキュリティ手法ですが現代でもかなり有効です。
④金目のものがあると予想される住宅
闇バイト強盗は金目のものがあると予想される住宅を狙ってきます。
理由は闇バイト強盗の情報屋が金目のものがある住宅を探し回っているからです。
もし見当をつけられたら確実にターゲットにされます。普段から絶対に自宅に金目のものがあるなどとはいわないようにしましょう。
闇バイト強盗が「従来型の強盗」とは違う点
闇バイト強盗には、従来型の強盗対策では不十分です。
従来型の強盗では「5分の犯行に耐えれば犯人の大多数が諦める」といわれています。
ところが闇バイト強盗は何分経とうが金品を手に入れるまで諦めません。
闇バイト強盗は従来型の強盗に比べると、犯行が極めて雑で、凶悪な犯行を平気で行い、これまでの防犯常識が通用しません。
こちらでは闇バイト強盗が従来型の強盗とは違う点をご紹介します。
①住人がいる時を狙ってくる
従来型の強盗は人がいる時を避けますが、闇バイト強盗は住人がいる時を狙ってきます。
その理由は住人がいれば、家のどこに金目のものがあるのかを聞いた方が早いからです。
②金品が手に入るまでは諦めない
従来型の強盗は侵入した時に住人に見つかると逃げます。ところが闇バイト強盗は住人に見つかっても逃げません。金品が手に入るまで諦めず、暴行してでも手に入れます。
その理由は自分たちも指示役から脅されており、もし逃げて帰ってしまうと自分や家族が危険な目に遭うからです。
そのため金品が手に入るまでは逃げられないのです。
③防犯カメラがあろうとなかろうと押し入る
従来型の強盗は防犯カメラに映らないように侵入します。
ところが闇バイト強盗は防犯カメラがあろうとなかろうと押し入ります。
その理由は自分の姿が防犯カメラに撮影されていても、指示役からの「報復のプレッシャー」の方が上回っているので、その場をやり過ごすために押し入るからです。
闇バイト強盗の対策方法
従来型の強盗対策では闇バイト強盗には不十分です。では一体どうすればよいのでしょうか。
①無線のSOSボタンを設置する
無線のSOSボタンとは、ボタンを押すだけで周囲に異変を知らせてくれる防犯機器のことです。
ボタンを押すと、住宅の屋外で明るいフラッシュが点灯し、けたたましいサイレン音が鳴り響きます。
サイレン音は最大110デシベルなので周囲にかなり響きます。
②ホームセキュリティのシールを屋外の見える場所に貼る
ホームセキュリティのシールとは、警備会社と契約をするともらえるシールのことです。
ホームセキュリティと契約していることがわかると、侵入を断念する可能性が高くなります。
玄関や窓など、侵入者が侵入するであろう場所に貼ることでより防犯効果が期待できます。
③すぐにその場から逃げる
もし闇バイト強盗が侵入したらすぐにその場から逃げることをおすすめします。
理由は闇バイト強盗は暴行、拉致、殺人など平気でおこなう集団だからです。
侵入したとわかったらすぐにその場を逃げましょう。抵抗したら、大変なことになる可能性があります。
闇バイト強盗にホームセキュリティが有効
闇バイト強盗にホームセキュリティは有効といわれています。
一体なぜでしょうか?
①非常ボタンを押すだけですぐに駆けつけてくれる
ホームセキュリティは非常ボタンを押すだけでガードマンがすぐに駆けつけてくれるサービスです。
ホームセキュリティは1日24時間、365日稼働しています。
もし自宅に異変を感じた時、窃盗や強盗に侵入された時、体調が悪くなった時など、非常ボタンを押すだけでガードマンがすぐに駆けつけてくれます。
②遠隔画像・音声監視ができる
ホームセキュリティは遠隔画像・音声監視ができるサービスです。もし自宅に異常が発生すると、自宅の画像と音声がガードセンターへ通報されます。
するとガードセンターから音声で警告することが可能です。
また緊急の場合にはガードマンが自宅にすぐに駆けつけてくれます。
③防犯センサーの設置
ホームセキュリティは家中のドア・窓ガラスにセンサーを設置できるサービスです。
防犯センサーには人感センサー・開閉センサー・振動センサーがあり、あらゆるタイプの侵入から自宅を監視してくれます。
もし侵入者がドア・窓ガラスを破って侵入した場合にはガードマンがすぐに駆けつけてくれるので安心です。
おすすめのホームセキュリティ
ホームセキュリティ大手のALSOKやセコムは、最新の技術と高度な対応力で、利用者の安心な暮らしを支えるための幅広いプランを用意しています。
最後に、2社それぞれのサービスについて、特徴を解説します。
■ ALSOKのホームセキュリティサービス
ALSOK(アルソック)は、24時間365日対応の監視システムを提供中。
異常時には訓練を受けたガードマンが迅速に駆け付ける「オンラインセキュリティ」と、セルフサービス型で手軽に導入できる「セルフセキュリティ」の2つのプランから選択可能です。
オンラインセキュリティ 異常を検知した際にガードマンが即時駆けつけ、侵入者を抑止・対処するプラン。 ピッキングやガラス破りなどの侵入を感知する各種センサーや、防犯カメラ、火災・ガス漏れの検知、そして緊急通報ボタンがあり、必要に応じて警察や消防にも通報されます。 費用は月額4,070円~で、初期費用もかかりますが、センサー感知による駆けつけ対応が無償(ユーザー依頼による駆けつけは税込3,300円/回)であることはメリットといえるでしょう。 |
セルフセキュリティ 手頃な月額990円(税込)~で利用でき、異常発生時にはスマホアプリで通知されるセルフ監視型プラン。 必要な場合には有料でガードマン駆けつけの依頼もでき、柔軟にオンラインセキュリティへのアップグレードも可能。 |
ALSOKのシステムは、スマートフォンとの連携で在宅や外出時にも手軽に警備操作が可能です。
非常ボタンによる緊急通報、火災・ガス漏れなどの検知、窓の閉め忘れ通知など、便利で多機能なサービスが充実しています。
■ セコムのホームセキュリティサービス
セコム(SECOM)は、全国に約2,600カ所の拠点を持ち、異常時には迅速に駆け付けて対処する体制が整っています。
また、24時間365日、火災・ガス漏れ、非常通報といった防犯・防災サービスの連携を行うことも特徴で、自宅の生活全般を見守る機能が充実しています。
防犯・防災の包括的な対応 侵入監視、火災監視、非常通報ボタンなどの多様なセンサーを設置し、異常が発生した場合には緊急対処員が現地へ急行します。 センサーが異常を感知した際に警報が鳴り、必要に応じて110番や119番にも自動通報されるため、留守中でも安心して預けられます。 |
使いやすい操作とサポート対応 セコムのシステムはスマートフォンでも簡単に操作可能で、離れた場所から警戒・警戒解除ができます。スマホが苦手なら「ホームコントローラー」で安心。 また、機器の設置は家の美観を損なわないよう工夫されており、緊急対応を行うスタッフは経験豊富で信頼性が高いことも魅力。 料金プランは月額5,060円(税込)~から。初期費用は設置機器によって異なります。 |
セコムのホームセキュリティは、簡単操作でお子様や高齢者にも扱いやすい設計が施され、在宅・外出問わず柔軟にサポートが受けられる安心感があります。
ぜひ、この記事で紹介した防犯対策を参考にしながら、今一度ご家庭の防犯レベルを確認し、安心な生活環境づくりに役立ててください。